PLATEAU×Unity 2日間サバイバルガイド 〜ハッカソン〜

攻略法

PLATEAU×Unity 2日間サバイバルガイド 〜ハッカソン〜

はじめに:このガイドの使い方

「PLATEAUを使ってみたいけど、Unity触ったことない...」 「ハッカソンまであと1週間、何から始めればいいかわからない...」

このガイドは、そんなあなたのために書きました。

対象:Unity初心者、PLATEAU初めて

所要時間:読了15分、実践2時間

ゴール:最小限の設定で「動くもの」を1つ完成させる

大事なのは「完璧」より「動く」こと。判断に迷う箇所は徹底的に排除し、チェックリスト形式で進捗を確認できるようにしています。

それでは、始めましょう。

STEP 1:環境構築(30分)

最初の関門は環境構築。ここで躓くと何も始まらないので、一つひとつ確認しながら進めてください。

1-1. Unityのインストール

使用バージョン:Unity 2022.3.62f2 または 2022.3.62f3

PLATEAU SDK for Unityの公式ドキュメントでは「2022.3.25f1以上」が対応バージョンとして記載されていますが、古いパッチにはセキュリティ警告(Security Alert)が出ています。2025年12月時点でSecurity Alertがないのは2022.3.62f2以降のみなので、これを選びましょう。PLATEAU SDKの対応範囲(2022.3.25f1以上、Unity6未満)に入っているバージョンを選択する必要があります。

手順

  1. Unity Hubをダウンロード・インストール
     スクリーンショット2025-12-0512.57.58.png
  2. Unity Hubを起動し、「インストール」タブへ
     スクリーンショット2025-12-0512.59.21.png
  3. 「エディターをインストール」をクリック
  4. Unityダウンロードアーカイブの「2022」タブから 2022.3.62f3(または2022.3.62f2)を選択してインストール
  5. 以下のような画面が出てくるので、自分のPCにあった方をInstallします。
     スクリーンショット2025-12-0513.00.04.png
  6. Moduleは日本語だけチェック入れておきましょう。(画像ミスってますが、少しスクロールして日本語にチェックを入れておきましょう。日本語ネイティブなら。)
    スクリーンショット2025-12-0812.48.24.png

以下のようになれば成功です。
スクリーンショット2025-12-0812.49.17.png

モジュール選択画面では何を選択すればいいのか?

インストール時に「Add modules」という画面が表示されます。ハッカソン用途なら最小構成でOKです。

カテゴリおすすめ理由
Platforms❌ 全部チェック不要Editor上で直接デモすればOK
Language packs✅ 日本語UIが日本語になって便利
Documentation⬜ お好みでオフラインで調べたいなら(685MB)

💡 なぜPlatformsは不要? ハッカソンの発表では、Unity Editorの「Play」ボタンを押してそのままデモするのが一般的。実行ファイル(.exe / .app)をわざわざ作る必要はありません。後から必要になってもUnity Hubで追加できるので、最初は軽量にしておきましょう。

⚠️ Unity Hubの「推奨リリース」に注意

Unity Hubで「推奨」と表示されるバージョンにもSecurity Alertが出ている場合があります。必ずアーカイブページでSecurity Alertの有無を確認してください。

💡 なぜ2022.3.62f2/f3か?

  • PLATEAU SDKの対応範囲内(2022.3.25f1以上、Unity6未満)
  • Security Alertなし(2025年12月時点)
  • 一般ユーザーが利用可能(Enterprise/Industry限定ではない)

⚠️ 重要な注意点

Unityバージョン対応状況
Unity 2022.3.25f1✅ 公式推奨・動作確認済み
Unity 2022.3.x LTS(25f1以上)✅ 対応
Unity 2023.x系⚠️ 公式未検証・自己責任
Unity 6未対応(2025年12月時点)

Unity 6は2025年12月時点で明確に未対応とされています。「最新だから良いだろう」と選ぶと、SDKが動作しません。必ず2022.3系を使ってください。

1-4. Macユーザー向け補足

Apple Silicon(M1/M2/M3/M4)Macをお使いの方へ

PLATEAU SDK for Unityはv2.0.0以降でApple Siliconにネイティブ対応しています。最新版(v3.4.x)を使えば問題なく動作するので、Intel版Unityを使う必要はありません。

古い記事では「Macでは動かない」という情報もありますが、2025年現在は解消済み。安心してください。

インストール時に「permission denied」エラーが出たら?

Unity 6を先にインストールした後に2022.3をインストールしようとすると、以下のエラーが出ることがあります:

Install failed: EACCES: permission denied, mkdir '/Applications/Unity'

解決法A:インストール先を変更する(おすすめ・sudo不要)

会社や学校のMacなど、管理者権限(sudo)が使えない場合はこちら:

  1. Unity Hub の設定(⚙️)を開く
  2. 左メニューの「Installs」をクリック
  3. 「Installs location」の右にあるフォルダアイコン(📁)をクリック
  4. 自分のホームフォルダ内に場所を変更:
/Users/あなたのユーザー名/Unity/Hub/Editor
  1. 「Choose」で確定
  2. 失敗したインストールキューが残っている場合は「×」で削除
  3. Unity Hubを完全に終了(Cmd + Q)して再起動
  4. Unity 2022.3.62f3 を再インストール

💡 自分のホームフォルダ内なら権限問題は発生しません。

解決法B:ターミナルで権限を修正(管理者権限がある場合)

自分のMacで管理者権限がある場合:

  1. ターミナルを開く(Spotlight検索で「ターミナル」と入力)
  2. 以下のコマンドを実行:
sudo chown -R $(whoami) /Applications/Unity
  1. Macのパスワードを入力
  2. Unity Hubで再度インストールを試す

⚠️ 「xxx is not in the sudoers file」というエラーが出たら、管理者権限がないので解決法Aを使ってください。

解決法C:フォルダを削除してやり直す

Unity 6を使わないなら、まるごと消してしまうのも手:

  1. Finder で「移動」→「フォルダへ移動...」
  2. /Applications/Unity と入力してEnter
  3. Unityフォルダを右クリック →「ゴミ箱に入れる」
  4. Unity Hubを再起動して再インストール

スクリーンショット2025-12-0812.50.20.png

1-2. プロジェクト作成

  1. Unity Hubの「プロジェクト」タブで「新しいプロジェクト」をクリック

  2. 「Universal 3D」 を選択(※「3D (Built-In Render Pipeline)」ではないので注意!)
     スクリーンショット2025-12-0812.52.25.png

  3. プロジェクト名を入力(例:PLATEAU_Kyoto_Hack

  4. 「プロジェクトを作成」をクリック
    スクリーンショット2025-12-0812.55.23.png

💡 なぜ「Universal 3D」か? Universal 3D = URP(Universal Render Pipeline)のことで、軽量かつ高機能。PLATEAUの大量の建物データを扱う際にパフォーマンスが安定します。

1-3. PLATEAU SDK for Unityのインストール

2025年12月時点の推奨:tgzファイルからインストール

以前はGit URL経由のインストールが案内されていましたが、現在はtgzファイルからのインストールが公式推奨です。Git LFS(大容量ファイル管理)関連のエラーが頻発するため、初心者はtgzファイルを使いましょう。

手順(推奨)

  1. GitHub Releasesにアクセス
  2. PLATEAU-SDK-for-Unity-v4.0.1.tgz をダウンロード
  3. ⚠️ ファイルは解凍しない(そのまま使う)
  4. Unityエディタ上部メニューから「Window」→「Package Manager」を開く
  5. 左上の「+」ボタンをクリック
  6. 「Add package from tarball...」 を選択
    スクリーンショット2025-12-0812.57.49.png
  7. ダウンロードしたtgzファイルを選択
  8. インストール完了まで待つ(2〜3分かかることも)
  9. PLATEAU SDK for Unity > Sample > Importを押す
    スクリーンショット2025-12-0812.58.14.png

方法B:Unity Asset Storeからインストール

Unity Asset Storeからも無料で入手できます。Asset Storeに慣れている方はこちらでもOK。

方法C:Git URL経由(上級者向け)

Git LFSがインストール済みで、Gitに慣れている方のみ。バージョン指定のタグを付けてください:

https://github.com/Project-PLATEAU/PLATEAU-SDK-for-Unity.git#v3.4.0

⚠️ タグなしでの使用は非推奨。エラーの原因になります。

1-4. Macユーザー向け補足

Apple Silicon(M1/M2/M3/M4)Macをお使いの方へ

PLATEAU SDK for Unityはv2.0.0以降でApple Siliconにネイティブ対応しています。最新版(v3.4.x)を使えば問題なく動作するので、Intel版Unityを使う必要はありません。

古い記事では「Macでは動かない」という情報もありますが、2025年現在は解消済み。安心してください。

1-5. 成功確認チェックリスト

  • [ ] Unity 2022.3.25f1(または2022.3.x LTS)がインストールされている
  • [ ] プロジェクトが「3D (URP)」テンプレートで作成されている
  • [ ] 上部メニューバーに 「PLATEAU」 が表示されている

「PLATEAU」メニューが表示されていれば、環境構築は完了です! 🎉

STEP 2:最小データ表示(60分)

環境が整ったら、いよいよPLATEAUデータを表示します。ここでのポイントは「欲張らない」こと。

2-2. データソースの選択

「サーバー」を選択

ローカルにデータをダウンロードしてから読み込む方法もありますが、最初はサーバーからの直接インポートが手軽。京都市のデータは2024年度版がサーバーから取得できます。

💡 京都市2024年度データの特徴

  • LOD3.3対応(先斗町など観光エリアで高精細モデルあり)
  • 道路モデルはLOD3.4まで対応(車線・横断歩道まで表現)
  • CityGMLファイルサイズ:約2.7GB

2-1. インポートウィンドウを開く

  1. 上部メニューから「PLATEAU」→「PLATEAU SDK」を選択
  2. PLATEAUウィンドウが開く
    スクリーンショット2025-12-0812.59.38.png

2-2. データソースの選択

手順

  1. インポート元:「サーバー」を選択
  2. 都道府県:「京都府」を選択
  3. データセット:「京都市」を選択
  4. 基準座標系:京都を含む座標系(第Ⅵ系など)を選択
  5. 「範囲選択」ボタンをクリック → 地図が表示される
    スクリーンショット2025-12-0813.01.00.png

💡 京都市2024年度データの特徴

  • LOD3.3対応(先斗町など観光エリアで高精細モデルあり)
  • 道路モデルはLOD3.4まで対応(車線・横断歩道まで表現)
  • CityGMLファイルサイズ:約2.7GB

事前にローカルダウンロードしておきたい場合は、G空間情報センターから取得できます。

2-3. 範囲の選択(超重要)

ここが最も重要なステップ。範囲は「京都駅周辺1km²」程度に絞ってください。

おすすめ範囲の座標(京都駅周辺)

地図上でドラッグして範囲を指定できます。最初は本当に小さな範囲で試しましょう。

⚠️ 絶対にやってはいけないこと:京都市全域を一度にインポートしようとする。フリーズするか、数時間かかります。

📏 推奨インポート範囲

  • 初回:1km²以下(京都駅周辺だけ)
  • 慣れてきたら:3km²以内(公式推奨の上限目安)

スクリーンショット2025-12-0813.01.37.png

2-4. LODの選択

LOD1を選択(テクスチャなし、最軽量)

LOD特徴初回のおすすめ
LOD1箱型、軽量✅ これを選ぶ
LOD2屋根あり、中程度2回目以降
LOD3窓・ドアあり、重い余裕があれば
LOD3.3高精細(先斗町等限定)発表前の仕上げ

💡 なぜLOD1か?:まず「表示できる」という成功体験を得ることが最優先。見た目は後から改善できます。

2-5. インポート設定

一括設定

項目設定理由
テクスチャを含める✅ ON見た目が良くなる
テクスチャを結合する✅ ONパフォーマンス向上
Mesh Colliderをセットする⬜ OFF最初は不要(後で追加可)
モデル結合主要地物単位デフォルトでOK
属性情報を含める⬜ OFF最初は不要(軽量化)

地物別設定

地物インポートする?理由
建築物✅ ONメインコンテンツ
道路⬜ OFF最初は不要
土地起伏⬜ OFF最初は不要
災害リスク⬜ OFF最初は不要
土地利用⬜ OFF最初は不要

建築物のLOD設定

  • LOD描画設定:スライダーを 1〜2 に設定(0は低すぎ、2で十分)
     
    「モデルをインポート」ボタンをクリック!

2-6. 成功確認

インポートが完了すると、Sceneビューに建物が表示されます。

スクリーンショット2025-12-0813.03.53.png

確認ポイント

  • [ ] Hierarchyに「PLATEAU」オブジェクトが追加されている
  • [ ] Sceneビューに建物の3Dモデルが表示されている
  • [ ] Gameビューでも建物が見える

建物が表示されたら、STEP 2完了です! 🎉

もし何も表示されない場合は、カメラの位置を調整してみてください。建物が遠くにある可能性があります。Sceneビューで「F」キーを押すと、選択オブジェクトにフォーカスできます。

スクリーンショット2025-12-0813.04.51.png

⚠️ STEP 3:よくあるエラーTOP5と即効解決法(30分)

ここまでスムーズに進んだ方は、このセクションは読み飛ばしてOK。トラブルが発生した方向けです。

エラー1:メニューバーに「PLATEAU」が表示されない

原因:SDKのインストールが正常に完了していない

解決法

  1. Unityを一度閉じて再起動
  2. それでもダメなら、Unityバージョンを確認(2022.3.x系か?)
  3. Package Managerで「PLATEAU SDK」が表示されているか確認
  4. 表示されていなければ、再度インストールを試みる

最終手段:プロジェクトを新規作成し、最初からやり直す(意外とこれが早い)

エラー2:Git URL経由でインストール時にエラーが大量発生 🆕

症状

Could not create asset from Packages/.../Images/LOD2/bridge.png

こんなエラーがコンソールに大量に出る。

原因:Git LFS(大容量ファイル管理システム)がインストールされていない、または正しく動作していない

解決法tgzファイルからのインストールに切り替えてください。 これが最も確実。

  1. Package Managerから問題のあるパッケージを削除
  2. GitHub Releasesからtgzファイルをダウンロード
  3. 「Add package from tarball...」で再インストール

エラー3:インポートが進まない・フリーズする

原因:範囲が広すぎる、またはメモリ不足

解決法

  1. 一度キャンセル(Escキーまたはウィンドウを閉じる)
  2. 範囲を 1km²以下 に縮小
  3. LODを LOD1 に変更
  4. 土地起伏・土地利用データは選択を外す(容量が大きい)
  5. 再度インポート

💡 目安:インポートは通常1〜5分で完了します。10分以上かかる場合は範囲が広すぎます。

エラー4:建物が真っ白に表示される

原因:マテリアルが正しく適用されていない

解決法

  1. LOD2以上を選択している場合、テクスチャのダウンロードが必要
  2. 一度LOD1でインポートし直す(テクスチャ不要)
  3. URPの場合、マテリアルのアップグレードが必要なことも

応急処置

  1. Hierarchyで建物オブジェクトを選択
  2. Inspectorで「Mesh Renderer」コンポーネントを確認
  3. 「Materials」にデフォルトマテリアルを手動で割り当て

エラー5:GMLファイルのロードに失敗する 🆕

症状:ローカルデータを指定したのに読み込めない

原因:フォルダ構造が正しくない

解決法: 入力フォルダはudxフォルダを直下に持つパスを指定する必要があります。

✅ 正しい例:C:/PLATEAU/26100_kyoto-shi_2024/
    └── udx/
        └── bldg/
        └── tran/
        ...

❌ 間違い例:C:/PLATEAU/26100_kyoto-shi_2024/udx/bldg/

トラブル時の撤退ライン

30分以上同じエラーで止まったら、一度撤退してください。

  • プロジェクトを新規作成してやり直す
  • 範囲をさらに狭める
  • LODを下げる
  • インストール方法を変える(Git URL → tgzファイル)

ハッカソンでは「デバッグに時間を使いすぎる」のが最大の敵。動く範囲で進めることを優先しましょう。

STEP 4:2日間で完成させるための鉄則

環境構築とデータ表示ができたら、ここからが本番。2日間で成果を出すための鉄則を5つ紹介します。

鉄則1:最初の3時間でデータ表示まで完了させる

ハッカソン初日の最初の3時間は「環境構築とデータ表示」に全振りしてください。

理想のタイムライン

  • 0〜1時間:環境構築
  • 1〜2時間:データインポート
  • 2〜3時間:カメラ操作、基本的な動作確認

ここまで完了すれば、残りの時間を「アイデアの実装」に使えます。逆に、3時間経ってもデータが表示できていない場合は、設定を見直すか、チームメンバーに助けを求めましょう。

鉄則2:範囲は狭く、機能は1つに絞る

範囲:最大でも2km²以内。京都駅周辺、清水寺周辺など、ピンポイントで絞る。

機能:「あれもこれも」はNG。1つの機能を完成させることに集中。

鉄則3:テクスチャは後回し

見た目にこだわりたい気持ちはわかります。でも、テクスチャの処理は重い。

優先順位

  1. 機能が動く(最優先)
  2. デモで見せ場がある
  3. 見た目がきれい(余裕があれば)

LOD1の箱型モデルでも、色分けやエフェクトで「見せ場」は作れます。

💡 2025年のTips:SDK v3.4.xには「テクスチャ結合機能」があり、ドローコール数を約90%削減できます。発表前の最適化フェーズで試してみてください。

鉄則4:座標変換は避け、Unity内で完結させる

PLATEAUデータを外部ツール(GISソフトなど)で加工してからUnityに持ち込む...という工程は、時間がかかりすぎます。

推奨:PLATEAU SDKでインポートしたデータを、Unity内でそのまま使う。座標系の変換やデータの前処理は避ける。

どうしても外部データと組み合わせたい場合は、緯度経度ベースでの位置合わせに留めましょう。

鉄則5:見た目より機能の動作を優先

審査員が見たいのは「動くデモ」です。

優先すべきこと

  • ボタンを押したら何かが起きる
  • 建物をクリックしたら情報が表示される
  • キャラクターが建物の上を移動できる

後回しでいいこと

  • UIのデザイン
  • アニメーションの滑らかさ
  • テクスチャの美しさ

「動かないけど見た目はきれい」より「見た目は荒いけど動く」の方が、圧倒的に評価されます。

次のステップ:動いたら何をする?

データが表示できたら、ここからがアイデア勝負。いくつかの方向性を紹介します。

方向性A:建物の属性情報を活用する

PLATEAUの建物データには「築年数」「用途」「高さ」などの属性情報(セマンティクス)が含まれています。

実装アイデア

  • 築年数で建物を色分け(古い→赤、新しい→青)
  • 商業施設だけをハイライト表示
  • 建物の高さをゲームのスコアに反映

コード例(C#)

// 建物の属性情報を取得する例
var cityObjGroup = building.GetComponent<PLATEAUCityObjectGroup>();
if (cityObjGroup != null)
{
    // 属性情報にアクセス
    var attributes = cityObjGroup.CityObjects;
    foreach (var cityObj in attributes)
    {
        // 築年数を取得
        if (cityObj.AttributesMap.TryGetValue("bldg:yearOfConstruction", out var year))
        {
            Debug.Log($"築年数: {year}");
        }
    }
}

方向性B:インタラクションを追加する

実装アイデア

  • 建物をクリックしたら情報パネルを表示
  • 特定の建物に近づいたらイベント発生
  • 建物を「収集」できるゲーム性

方向性C:カメラ演出を工夫する

実装アイデア

  • ドローン視点で街を俯瞰
  • 一人称視点で街を歩く
  • タイムラプス風に視点を移動

方向性D:道路ネットワークを活用する(v3.2.0以降) 🆕

SDK v3.2.0以降では、道路形状から車線・横断歩道・停止線を自動生成できます。

実装アイデア

  • 自動運転シミュレーション
  • 交通流の可視化
  • 歩行者ナビゲーション

最終チェックリスト

ハッカソン当日までに、以下を確認しておきましょう。

事前準備(ハッカソン前日まで)

  • [ ] Unity 2022.3.25f1(または2022.3.x LTS)がインストール済み
  • [ ] PLATEAU SDK for Unity(v3.4.x)がtgzファイルからインストール済み
  • [ ] テストプロジェクトで建物が表示できることを確認済み
  • [ ] 使いたい範囲のデータをインポート済み(当日のWi-Fi混雑を避ける)
  • [ ] Macユーザー:Apple Silicon対応を確認済み

ハッカソン初日(最初の3時間)

  • [ ] チームでPCの環境を統一(Unityバージョン、SDKバージョン)
  • [ ] 全員がデータ表示まで完了
  • [ ] アイデアと担当分担を決定

ハッカソン2日目(発表前)

  • [ ] 「動くデモ」が1つ以上ある
  • [ ] デモのシナリオを決めている
  • [ ] バックアップを取っている(発表直前のクラッシュ対策)

📚 困ったときのリソース集

リソースURL用途
PLATEAU SDK 公式マニュアルhttps://project-plateau.github.io/PLATEAU-SDK-for-Unity/詳細な使い方
GitHub Releaseshttps://github.com/Project-PLATEAU/PLATEAU-SDK-for-Unity/releasesSDKダウンロード
SDK Toolkitshttps://github.com/Project-PLATEAU/PLATEAU-SDK-Toolkits-for-Unity拡張機能
京都市2024データhttps://www.geospatial.jp/ckan/dataset/plateau-26100-kyoto-shi-2024ローカルDL
PLATEAU Learninghttps://www.mlit.go.jp/plateau/learning/チュートリアル
PLATEAU VIEWhttps://plateauview.mlit.go.jp/ブラウザで確認

まとめ:完璧より「動く」を目指そう

このガイドで伝えたかったことは1つ。

「完璧」より「動く」を優先してください。

Unity初心者でも、PLATEAU初めてでも、2日間で「動くもの」は作れます。実際、Unity未経験の学生チームがハッカソンで受賞した事例もある。

大事なのは:

  1. 最初の3時間でデータ表示まで完了させる
  2. 範囲は狭く、機能は1つに絞る
  3. 見た目より動作を優先する

2025年12月現在、PLATEAU SDKはv3.4.xまで進化し、道路ネットワーク機能や動的タイル機能(試験的)など、できることが格段に増えました。でも、ハッカソンでは「新機能を全部使う」必要はありません。基本に忠実に、小さく始めて、動くものを作る。それが勝利への最短ルートです。

このガイドが、あなたのハッカソン成功の一助になれば幸いです。

👉 KYOTO PLATEAU HACK 2025 エントリーはこちら## はじめに:このガイドの使い方

Shin Yamamoto